ベトナムと日本における貿易協力関係の概要
現在、日越両国間協力関係は、両国外交関係を1973年に樹立して以来、史上最高の発展期にあります。2009年、両国は「戦略的パートナーシップ」を確立し、2014年3月からは日越関係を「アジアにおける平和と繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ」という新たな協力へと発展しました。日本とベトナムの「広範な戦略的パートナーシップ」は強力に、包括的に発展し、あらゆる分野で実質的な成果を遂げた。その成果は近年、両国の指導者の相互訪問が増えただけでなく、両国の輸出入総額の増加で明確になった。
過去において、日本はベトナムの最も重要な貿易相手国の一つである。2020年において、日本は中国、米国、韓国に次ぎ、ベトナム第4位の貿易相手国であり、両国間の貿易総額は407億ドルに達しました。又、日本はベトナムにとって米国、中国に次ぐ3番目に大きな輸出国であり輸入国としても中国、韓国に次ぐ3番目に大きな国である。
ベトナム・日本間の貿易と産業分野におけるいくつかの協定と現在の協力の枠組み
基盤な協定
-日・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)は2008年12月1日に発効しました。
-ベトナム・日本経済連携協定(VJEPA)は2009年10月1日に発効しました。
-環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)は、2018年12月30日に発効しました。
-地域的な包括的経済連携(RCEP)協定は、2020年11月15日に15のRCEF加盟国(インドを除く)によって署名されました。
協力の枠組み
-「日ベトナム産業・貿易・エネルギー協力委員会」は産業・貿易・エネルギーの各分野における幅広い協力事項を閣僚間(ベトナムの工商省及び経済省と日本の経済産業省METI)で協議し、毎年交代で開催されています(第5回会議は2021年に日本で開催される予定)。
(2020年8月7日、梶山弘志経済産業大臣とチャン・トゥアン・アイン商工相を共同議長として、第4回「日ベトナム産業・貿易・エネルギー協力委員会」をテレビ会談により開催)
関西地域
- 関西ベトナム経済交流会議の各参画機関は、ベトナム政府・公的機関等と覚書等を締結しております(ホーチミン市と兵庫省、ダナン市と大阪府、ドンナイ省と関西経済産業省、ダナン市と堺市など)。
- ベトナム商工省と近畿経済産業局との間で、関西とベトナムの経済発展を促進することを目的とした協力文書を締結しました(2012年11月の最初の署名以来継続的に維持されている)。平成30年10月31日に和歌山県とベトナム工商省との間で貿易及び産業連携促進のた
めの覚書(MOU)を締結した。
ベトナム・日本二国間の貿易状況
2008年以降、AJEPA、VJEPA、CPTPPなどを署名した二国間および多国間自由貿易協定のおかげで、ベトナムと日本の間の貿易関係はさらに改善し、日本がベトナムの重要な貿易相手国になっています。2017年日本の統計によれば、ベトナムはインドネシアを抜いて、日本との輸出入総売上高が世界最大の10カ国中9位になりました(総輸出入売上高は3兆7672億円、2.5%を占める)。 2019年、10カ国の中で8位に上昇し、日本の総輸出入売上高に占める割合は2.7%に増加しました。
2020年には、ベトナムの日本との総貿易売上高は396億米ドルに達し世界とのベトナムの総貿易売上高の7.2%を占め、 ベトナムの第3位の貿易相手国であります。輸出に関して、日本は現在ベトナムで3番目に大きな輸出市場であり、売上高は約193億米ドルです。輸入に関して、日本は203億米ドルの売上高で3番目に大きな輸入市場です。貿易収支ではベトナムが約10億ドル赤字で、2019年と比べて233,3%減少しています。
2021年1~4月のベトナムと日本の貿易総額は前年同期比5.9%増え、輸出入売上高は137億米ドルに達しました。ベトナムから日本への輸出総額は66億米ドルで前年同期比2.7%増えました。輸入総額は71億ドルで前年同期比9.9%増えています。貿易収支はベトナムが約4億7万ドルの赤字で、2020年と比べて891.4%増加しています。
日越貿易・投資は相互補足的かつ補完的な活動であると評価され、両国の競争上の利益の最適化に寄与する。ベトナムは主に水産物、原油、縫製品、電線・ケーブル、木材・木製品、コンピューター・部品、石炭、靴などを日本に輸出しています。一方、日本からは主に機械・設備、工具、電子機器・同部品、鉄鋼、布地、自動車部品、プラスチック原料、化学薬品、繊維原料、衣服、皮革、靴、金属などといった生産に必要な原料・材料を輸入しています。
関西とベトナムの輸出入売上高
日本の税関の統計によると、2020年の関西地域とベトナム間の総輸出入売上高は93.9億米ドルです。ベトナムから関西地域への輸出額は46.7億ドルに達し、2019年と比較して0.61%増加しました。一方、輸入額は47.2億ドルに達し、2019年と比較して4.77%減少しました。
2021年4月度の関西地域とベトナムの貿易総額は9億7,550万ドル(前年同期比:23.91%増加)に達し、そのうち輸出額は5億3,190万ドル(前年同期比:43.5%増加)で貿易総額の3.6%を占めるまでになりました。
一方、関西地域の総輸出額は、6.3%増の4億4,360万ドルに達し、関西地域の総輸入額の3.8%を占めております。 2021年1月から4月までの関西地域とベトナムの輸出入総額は8.03%増の34.7億米ドルに達しました。輸出額は2020年と比較して8.69%増の17.9億米ドルに達し、輸入額は2020年と比較して7.34%増16.8億米ドルに達しました。
2021年6月